明日は土曜日。
Taikiは、友達の誕生日パーティーによばれている。今週と、来週立て続けである。
初めての事なので、どんな準備をしていいものやら、少しとまどってしまう。
Sさんに聞いたら、送り迎えをすればいいのよ、という事だったので、少し安心。
招待状には、次のようなことが書いてあった。
☆YOU ARE INVITED TO **'S 10TH BIRTHDAY!☆
〈 When 〉 |
(日付) |
〈 Time 〉 |
(時間) |
〈 Where 〉 |
(場所) |
〈 BYO 〉
|
(持ってくる物) |
(持ってくる物)のところに『ライトセーバー』『PS2ゲーム』『卓球のラケット』などが書いてある。
学校でのイベントの時に、ライトセーバーを持ってくる子が多くて、Taikiも欲しがっていたのだが、店で見てみると、70ドル!
買うほどのことはないだろうというので、やめにしていた。
プレゼントには、日本から持ってきていたポケモンの鉛筆と、遊戯王カードを包むことにした。
バースデーカードも書いて、準備ができた・・と、招待状をもう一度見直していたら、見落としていた4文字が目に入ってきた。
何だろう・・と、調べてみたら・・
〈 RSVP 〉 (返事をください というフランス語の略語)
「オーマイゴッド!連絡が必要だったんだ!」
この言葉はどちらの招待状にも書いてある。
そういえば、おとといTaikiが、招待してくれた友達に
「僕の電話番号、知らないの?ここだよ。」
と書いて渡されたと言っていた。
何の気なしに聞いていたが、電話してね、ということだったのだ。
もう、前日になってしまっている・・。
だが、遅くなっても連絡しないよりは、した方がいいだろう、やっぱり・・。
ということで、電話することにしたが、なかなか勇気が出てこない。
相手を目の前にしての話は、ボディーランゲージを駆使して、何とか最低限、いけるのだが、電話で、知らない方と言葉だけでとなると・・。
だが、いつまでもそんな事を言ってはいられない。子どもたちに、
「おねがい!側にいて、微笑みの念を送って!」
と頼みつつ(見えないエネルギーにでも、すがるしかない・・)
受話器を手に取る。
案ずるより産むが易し。・・2件とも、お父さんが出たが、話は通じて
「すみません。うまく言えませんが、えっと・・あのう・・。」
最高にモタモタしたが、
「謝ることは、全くないですよ。大丈夫。」
と、ゆっくり話を聞いてくれた。
しどろもどろの私を見て、子どもたちからチョコレートが差し入れされる。
これが終わったら、美味しいチョコを食べてね・・という無言の応援である。
そして・・。
「Taiki は、来るんですね。それは良かった。」
どこかで気になっていたのだろう、自分でも思いがけず、
「でも、あの、ライトセーバーを持っていないのですが・・。」
「え?ライトセーバー?ハ!ハ!ハ!ノープロブレム!」
大受けされてしまった・・。
「それでは、いらっしゃるのを楽しみにしていますよ。バーイ!」
「サンキュー、バーイ!」
2件電話し終わった後には、ホッとしてうっすらと涙さえうかぶ。
「何まご?」
「まごつき度98!最高潮。あー、ドキドキした・・。」
だが、電話の向こうのお父さんたちは、どちらも許容力の広い、親切な方だった。
こんな方たちのお宅ならば、遊びに行って、彼がひとりで困ったりすることはなさそうだ・・そんな感じを受けた。
一件落着。
RSVP・・覚えておかなければ。