第2章(新学期 冬から春へ)の始まり

 今日から新学期。

 Taikiの担任は、がっしりした男の先生から、今度は若い細身の女の先生に替わった。
 休み時間、ボール投げをしていた時、自分のボールが飛んでいってしまって、誰かがそれを拾った。
返してくれると思ったら、「It's mine!」といって、なかなか返してくれなかった。こちらも負けずに「No!」と言い続けていると、クラスの友達が来て、相手に強く言って、取り返してくれた。
 帰った早々、そんな話をしてくれた。 
 優しいお友達がいるということと、彼自身もなんとかがんばってやっているようなのと、話を聞いてそんな事を感じてホッとした。 

 Aiは、もしかすると今学期も前のクラスに残るのではないかと、実は、心配していたようだが(ついていけない時は、取り出し授業を受けていたりしていたので)、無事、前のクラスのお友達と一緒に、次の段階のクラスに進むことができたので、ホッと安心したようだ。
 最初の学期は、お腹が痛くなったり、熱が出たりで、心配なこともあったが、だいぶ学校に慣れたようだし、仲の良い韓国人のお友達もできたし、もう、クラスに兄がいなくても大丈夫だろう。
 全て英語での算数の授業など、相変わらず大変だろうが、何とか色々な事を乗り越えながら、学校生活を楽しんで過ごしてくれるものと信じている。

 Shouは、少し上のクラスに飛び級をした。以前は中国、韓国、がほとんどで、その他はギリシャ、マレーシア、タイの子達と一緒だったが、今度は、アラブ系の子どもが多いらしい。中国語や韓国語は、以前クラスで飛び交っていたので少し馴れていたが、全く聞き慣れない言葉をその子たちがしゃべっていたので驚いたようだ。
「ふざけて適当、なんか声出しよう、って思ったら、相手がそれに同じように答えよったけん、びっくりしたー!言葉やった!!」   
 又、違った社会や文化をもった国から来た友達と過ごす、この学期も、いい勉強になることだろう。   

 3人とも、学校が始まるのを(今度は、どんな事があるのだろう?)と、楽しみにしていたが、学期が代わり、状況が変わっても、皆、又、笑顔で学校から帰ってきたので安心した。