昔『わんぱく天使』(J.M.デ・ヴァスコンセロス著/角川文庫』)という本を読んだ。貧しい男の子が、1本のスイートオレンジの木を自分の木としてもらう。逆境の中で、感受性の強い彼は傷つく事も多いが、つらい時にはその木と話をし、厳しい現実に立ち向かっていって、なんとか乗り越えていく・・というような話で、とても感動した。
オレンジの木ではないが、その話が心のどこかに残っていて、以前庭に3本(子どもたちひとりに1本)のさくらんぼの木を植えた。
まだほんの小さな木だけど、これから一緒に成長していって、彼らが大人になった頃には、立派な樹木になっているかもしれない。
その中の一本の木に、今日、今年最初の花が咲いていた。
枯れたような木の枝から、可憐な花々が咲いている様子は、息をのむような美しさ。
『花は なぜうつくしいか
ひとすじの気持ちでさいているからだ』
大好きな詩人、八木重吉さんの「花」という詩です。