太陽系の仲間たち

 「『惑星』という言葉のはっきりした定義づけがなされ、冥王星は、もはや惑星と呼ばれないことになった。」
この情報はHaruのいるMacquarie大学のメーリングリストにも、速報として流れてきたそうだ。

 チェコのプラハで開催中の国際天文学連合(The International Astronomical Union: IAU)総会で8月24日(現地時間)、太陽系の惑星(planet)数を8個とする定義案が賛成多数で採択されたということだ。

  『惑星』の定義としては以下の条件を満たすものであることだ。
1.太陽を周回する
2.自己重力で球体になるのに十分な質量を持つ
3.その軌道周辺に類似の天体がない

 太陽系の惑星は、水星(Mercury)、金星(Venus)、地球(Earth)、火星(Mars)、木星(Jupiter)、土星(Saturn)、天王星(Uranus)、海王星(Neptune)の8つとなり、冥王星が除外されたというわけだ。これから冥王星は、『矮(わい)惑星』(dwarf planet)という区分に入ることになる。他にはセレス(Ceres)、2003 UB313が矮惑星に認められているそうだ。

 歴史や科学、物理などの世界でも、新事実が発見されて教科書が塗り替えられていくことは、よくあることかもしれない。
確かな真実を探るために人類は常に努力しているから、そうあって当然なのだろう。
 今回は、太陽系の天体の一部に、ある観点からの定義づけがなされて、呼ばれ方が変わったということだ。天体を把握していくために、整理がつきやすくされたのだろう。
冥王星自体に何の変化もあったわけではなくて、人間の名付け方の問題だ。依然として、考え方によって、これは矮小といも言えるし、いや、大きいよ、と思うこともできる。
名前というのは便利なものであるが、時にそれが、その言葉自体のイメージでそのものの見方を固定させてしまうことがあるように思える。気をつけなければ・・。 

 逆に名前(言葉)があるからこそ、私達人間は頭の中に、太陽系、いや銀河系までをもひとまとめにして想像することができる。
限りなく広がり続ける果てしない宇宙を、頭の中に入れることすらできる。

 イスラムとレバノンの争いが発端になって、シドニー大学では(ユダヤ人への)人種差別による事件がいくつか起こり、問題になっているらしい。
大学側は、全ての学生に、
「宗教的、人種的差別による身体的、また言葉による攻撃は、決して認められるべきものではなく、学生規約に反するだけではなく、犯罪でもある。同大学は個人の権利保護を真剣に受け止め、これに反する行為を行った者には厳格な態度で臨む。」
との電子メールを送ったそうだ。

 地球の未来がどうなっていくのか、言葉を使ることのできる人間の行動しだいで変わるところが多いように思える。
考え方や宗教、人種などで争うようなことを、いつまで続けるのだろう・・。

 惑星の話に戻ると、ちなみに、有名なホルストの作品、組曲『惑星』作品32(The Planets Op. 32) には7つの楽章があり、それぞれ惑星の名がつけられていたが(地球を除く)、その中には当時まだ発見されていなかった冥王星は含まれていないらしい。cdosei