終業式

 明日からホリデーに入る。
 Taikiのクラスでは、先生に感謝する、持ち寄りパーティーがあるので、何を持って行こうかと考えた末、唐揚げを作ることにした。
 鶏肉は味をしみこませて、あとは揚げるだけ・・。いざ、フライヤーをオンにすると・・icon-ga動かない・・。
暖房器具は、次々と壊れていく。少しずつ使えなくなっていく暖房器具を眺めながら、日本製のものがいかにすばらしいか、痛感しつつため息をつく日々だ。
だけど、フライヤーまで・・「このタイミング?!」という感じである。 
 勿論、フライパンを使えばいいのだけど、ちょっと悔しいので、色々ガチャガチャやっていると、突然電気が通った。

 (そういえば・・ある日の出来事である。
シドニー中心地のビルで、エレベーターのドアが開かない。しょうがないので隣のを使おうとしていたら、大きなご婦人がやってきて、開かないエレベーターのドアに体当たり。
するとドアは、おとなしく言うことを聞いて、開いたではないか!
もっと驚く事には、ご婦人は、ごくごく普通の顔をして、何事もないかのように、それに乗っていった。
「オッケー、ノープロブレム!ノー ウオリー!(なんてことない、大丈夫)」
の世界。これは、日本では、あまり見慣れない光景ではないだろうか。こういうカルチャーショックを、たまに受けることがある。)

 とにかく、唐揚げは無事できあがり、こちらの子どもたちには、どうだろう?と案じていたが、結構好評だったようだ。
パーティーが始まると、すぐに無くなって、「Good!Taiki!」と何人かのお友達が言ってくれたらしい。めでたしめでたし。

 1時からは、IECの終業式に(こちらは親の参加を呼びかけていたので)行ってみた。
1年間のうちに、IECの子どもたちはクラスを1から3まで上がっていく。そして、クラス3を終えた子どもたちは卒業して、晴れてHigh Schoolの普通クラスに入れるという仕組みになっている。
 うちの子たちは、まだクラス1だが(結局この一年間IECのクラスで終わりそうである)、今日は、クラス3の生徒たちのIECの卒業式でもあったので、その様子を見ることができた。

 式では、卒業証書をもらう時に、一人ずつスピーチをしていた。
内容は、自分の事、友達の事、オーストラリアと母国との違い、など様々だったが、12歳から17歳くらいまでの子どもが、自分の気持ちや考えを、はっきりと英語で伝えることができていて、感心した。
韓国が一番多く、その次が中国、あとはイラン、スロヴァキア、アフリカ、ギリシャ、タイ、など色々な国の子どもたちだった。
「来た時はとても不安で、友達もいないし、寂しかったけど・・」
という話をする子が多くて、この子たちは、どんな思いをしてがんばってきたのだろうと思うと胸がいっぱいになった。

 最後に卒業生たちが舞台に上がって、みんなで手話をしながら歌を歌った。cimg1009r_400

 

 子どもたちの話の中にもあったが、国籍の違う人達と一緒にがんばってきて、意見の違いにけんかしたり、共感したり、励まし合ったり・・たくさんの思い出ができたことだろう。このシーンを見ながら、なんだかジーンとしてしまった。
 わずか一年で、かなり英語が話せるようになっている子もいるが、本人の努力もさることながら、先生方の辛抱強さ、熱心さも、とてもよく伝わってきた。

 横に座ったお母さんはスロヴァキアから一年ほど前に来て、今日は子どもがIECを卒業するということだったが、
「ここの教育システムがとてもよかったから、息子が成長して、本当によかったわ・・。まだ2ヶ月なら、大変でしょうけど、子どもたちはきっと進歩していくわよ。がんばってね。」
と言ってくれた。式が終わってお母さんの所にきた男の子に
「卒業おめでとう!」
と言うと
「ありがとう!」
と言う、その笑顔がとてもステキだった。heart1