携帯電話

 日本語のメールのできる携帯電話はあるのだろうか?
何か緊急事態の時に、家族が連絡できる手段が必要だということで、こちらへ来てすぐに、携帯電話を探し回った。
日本語情報誌、Webサイト、色々探すと、何社かが、それを提供しているようだった。
?携帯電話本体が完全に日本語対応になっているもの
 これを借りると操作メニューまで完全に日本語になっているし、日本語のメールが使える。但し、月額レンタル料金が割高である。
 一説によると、これは違法改造(SIMロックを外している?)という話もあるようだ。真偽の程は判らない。

?携帯電話は英語しか入力&表示できないが、一種のWebメールみたいな使い方にして、日本語入力と画像としての日本語表示を可能にしたもの
 
日本語メールの読み書きが面倒くさい。しかし、月額料金が安い。

  私達はある会社で、この?のタイプ(というオーストラリアでよく使われている会社の機種)を3台レンタルすることにした。
親二人それぞれ一台と、子どもの分一台。LG製である。

 使ってみると、電池の消耗がとても激しく、一週間経たずに充電が必要。
日本語メールをしようとしても、アクセスするのにえらく手間や時間がかかるし、日本語を入力するのにも複雑な操作をしなければならない。
結局、携帯電話としては、たまに使うが、日本語メールはほとんど使わないままだった。
ついでに言うと、借りた携帯電話には無料通話時間がかなりあるが、ショートメールは別料金として加算される。
そんなこんなで、「ま、いいか。」の携帯電話だった。

 レンタルは6ヶ月契約だったので、そろそろあと半年の契約更新をしに行った。
その会社は取り扱い携帯電話の契約会社を3からVodafoneに変えるらしく、その手続きをいろいろ行わなければならなくなった。
手続きをして、一週間ほどして、変更になるので、もう一度交換に行かなければならないらしい。

 ただ、その会社に行くと、日本語情報誌(『日豪プレス』、『ジェンダ』など)が手に入る。
これは、いくつかの日本食品の店などで手にはいるフリーの新聞でオーストラリアと日本の情報が載っているものだ。 
勿論、今はウエブサイトで、情報の整理をしていらっしゃる方がいたりするので、日本語で色々な情報が得られるのだが、活字にしてある、手にとって読める印刷物というのは、パソコン上の文字と違ったありがたみがある。

 せっかく英語にあふれた生活なのだから、それに慣れる努力をすべきではあるが、日本語の本を無性に目が欲しがることがある。
子どもたちさえ、日本語の本に飢えて、本棚にあった『いい言葉は、いい人生をつくる』(斉藤茂太著/成美文庫)という本を、いつの間にか続編まで読破していた。
きっと日本にいたら、目もくれなかっただろう・・。
でも、今、この状況の中で、物の考え方、という大切なものを頭に入れたことは、非常にためになったようだ。
人生、考え方次第、物の見方次第で物事はいくらでも変わってくる、という、ものすごく大切な事実を、今、彼らも肌で感じている。

 日本語の本の話に戻ると、先日Sさんに教えてもらった古本屋に子どもたちと一緒にでかけたが、みんな目が爛々としていた。
(勿論まず気になっているアニメ探しから入るのは言うまでもないが・・)
 シティーには大きな紀伊国屋があって、日本語の本も勿論あるが、高い。
「日本語だ!読めるじゃん!」なんて、すぐに手にとって気楽に買ってかえるようなものではない。ほとんど『高級品』感覚である。
 なのに、その古本屋さんでは、文庫本一冊3ドルだったりするではないか。感動で思わず目がうるむ・・。 
 子どもからも、
「なんか、名作、読んでみようかな・・。」
そんな意外な言葉が出てきた。
 帰りには、アニメや児童書や、いろいろ仕入れてみんなホクホク。

 帰ってからも、むさぼるようにして本を読んでいる。
あと一週間すると、又、英語だらけの日々。
今この期間に日本の学校の勉強をすれば良いのはわかっているが、やっぱりもう少し先延ばし・・。
しばしの休憩を・・。