家の前に植えてあったサボテン(高さ2mくらい)に、花芽がついていたので、いつ咲くのかと、楽しみにしていた。
・・が、一向に咲かない。
そのうち、いくつかの花が、もう枯れていることに気づいた。
「水不足、と言っても、最近たまに雨が降るし、サボテンには充分だよね。」
と話していたが、明らかに、花を見る前に枯れてしまう花芽の多いこと・・。
数日前、Haruが、夜、外に出て、何だかめずらしく慌てている。
「花が咲いとう!!」
行って見てびっくり、サボテンが、月の光の中で、幻想的な花を咲かせているではないか・・。
何年も前に、実家で『月下美人』が咲くところを、見せてもらった事がある。
あれほど豪華な花ではないが、少し似ている感じもする。
ゴツゴツしたサボテンの固い表面からは、予想もつかないような、美しい白い花。
太陽のまぶしい光の中で見る無骨な姿と、澄み切った静かな月の光の中で見せてくれる美しい姿と、あまりの違いに、息をのむ。
この花、枯れるのも早くて、蕾ができてから、ほんの数日で、次々と枯れていってしまった。下手すると、開花を見ることがなかったかもしれない。
月下美人と同じで、一夜限りの開花なのかも・・。
その、つかの間の、はかない生命の宴を見せてくれて、ありがとう。