紙オムツを探し回る・・

 家の中のPopのスペースは作ったものの、どこへ行ってもペットショップにトイレシーツがほとんどない。
 見つけた!と思ってもトレーニングパッドという名称で、24枚入りで50ドル(4500円くらい!)と高すぎる。
 どうもこの国では犬は基本的に外でするようにしつけられているらしい。だからドアにつける小さな犬用の扉などはよく売っているのだけど、借家につけるわけにもいかない・・。 
 新聞紙を使う、という手もありだが、日本ではにおいを吸収してくれるシートを使っていたので、できればそれは避けたい・・。

 という事で、「大人用のオムツはどうだろう?」という話になり、スーパーや薬局のオムツコーナーをいくつもあたってみた。でも大人用は見つからない。 
 オムツコーナーを血眼で探し回るが、どれも赤ちゃん用のものばかり。とうとうエクストララージサイズ(よちよち歩きの赤ちゃん用。16Kgくらいまで対応するらしい)の、14枚入りのオムツ(ナッピー)が4ドルくらいであったので、試しに買ってみた・・が、やっぱり小さすぎて使えない。重ねて使うのも難しい・・。 

 としばらくオムツで頭がいっぱいになって、困っていた。
 そんな時、インターネットで、なんとペット用の「300回洗える、においを吸収してくれるトイレシート 」というのを見つけた!これは何としてでも手に入れなければ・・。
 そのサイトはアメリカにしか販売しないようだったが、Haruが製造元を調べてアメリカから取り寄せをお願いしてくれた。
 もし使い物になるようだったら、これから先のうちのゴミの量は感動的に減少するだろう。なんと地球に優しい話ではないか!!

トイレシートごときでこんなに悩むとは思わなかったが、それよりも、オムツを家族ぐるみでこんなに必死に探し回るはめになるとは、思いもよらなかった。人生いろいろあるものだ。 

 

コアラって、フカフカ!

 大学の秘書さんがHaruに「近くにコアラパークっていうのがあって、楽しかったわよ。行ってみたら?」と教えてくれた。うちから10分ほどの場所らしい。

 インターネットでシドニーの観光地の紹介をしてくれるページのひとつ『まごつきません、しどニーでは』 というサイトを見てみると
  http://www.magosido.com/specific/sightseeing/koalapark/index.htm 

”なんといってもヘボイ!ヘボさが入園前から漂って、とても香ばしい(胡散臭い)です”  なんて書いてあって、一体どんな所だろうと、興味深々になって行ってみると・・。

cimg0451rにこやかに迎えてくれた、コアラの看板。そしてチケット売りのきれいなお姉さん。
”ヘボイ”というのは、立派でない、整然と管理されていない、こぢんまりとしている、という意味だったらしく、そこにはのどかな、心和む素朴な世界が広がっていた。

こぢんまりとしてはいても、30センチ以上はある大きなコウモリ、NSW州の州鳥ワライカワセミ、ディンゴ、カンガルー、エミュー、ハリモグラ、などなどめずらしい動物がたくさんいて、そのうち、コアラ、カンガルーにはふれることができたので子どもたちも大満足。

cimg0459r_01コウモリcimg0462rワライカワセミ

cimg0499r_01ハリモグラcimg0507r コアラ

 

cimg0518rcimg0521r treerr

cimg0514r_02ブーメランを投げて、犬に取って来させる、そんなパフォーマンスもあった。おじさんのブーメラン投げのうまさ、犬のがんばりに、観客から思わず拍手が起こる。犬の羊追いの(一匹の犬が羊の群れを追って、見事に従わせていく)様子も見せてくれた。

おかえり、Pop!

 やっとPopが私達の元へ帰ってきた。

 日本を発って丸一ヶ月。迎えに来いという連絡があったので、今日検疫所へ行ってきた。
さぞかし緊張したり、いろいろ大変だっただろうな・・と思っていたけど、意外にPopはとても元気。
長時間の飛行機、それから検査などなど大変な事もたくさんあったとは思うが。
ここでの生活を担当してくれていたらしい若い女性がいかにもかわいい・・という感じで手渡してくれたのを見ると、よくお世話をしてもらっていたようだ。Popは、とても落ち着いていてホッとした。

 子ども達も、私達が迎えに行っている間にクレートを組み立ててくれていて、今や遅しと待ちかまえていた。
寮での生活や、家探し、子どもの学校の件など、ようやく落ち着いてきた今Popが戻ってきたのは、考えようによっては良かったのかもしれない。Popにしてみれば、勿論かなりのストレスはあっただろうけど。

 家についてからも、元気いっぱいのPop.Poplaugh

 よかった・・。 

ありがとうございます・・

朝、High Schoolの中の購買部へ二人の制服を買いに行く。衣替えの季節らしく、店の前で生徒たちが長い行列をつくっていた。
そこに並んで待っていると、あれ?日本語が聞こえる。早速Haruが声をかけたら、日本人のご主人と韓国人の奥さんで、姪ごさんが入学するので制服を買うのをつきあってあげているらしい。
「なかなか日本人を見かけないので・・。」と話すと、この町には少ないけれど、少しはいるのだと教えてくれた。
「もしかして、ピアノを・・?」と聞かれて、話をしていると、なんと、ピアノを貸してくれた、Asahiが先日、わざわざ奥さんがやっている店に行って、私達の話をしてくれていたらしい。そして来たばかりなので仲良くしてあげてくれ、と頼んでくれていたらしいのだ。だけど、電話番号もわからなくて、どうしようもなかったのだという。

本当にありがたいことだ・・。

そして又、そのご夫妻というのが素敵な方達だった。気さくで穏和なご主人と、賢くて優しい奥さん。16年間オーストラリアで暮らしているというご主人は元板前さんで、オーストラリアで店を出していらっしゃったらしい。が、そこで奥さんと出会って、しばらく日本へ帰国して、又こちらへ来て・・色々な事があったのだろう、奥さんの影響で、クリスチャンになって、牧師の学校に入り、そして今週の土曜日に卒業されるそうなのだ。本当に、世の中にはいろいろな出会いがあるものだ・・。

「結婚した当初はお互い片言英語で話していたので、けんかもできなかったんですよ。それから彼女は日本語をマスターしてくれたんで、やっとけんかができるようになりましたよ。」と笑って話すご主人。奥さんは英語も流暢だし、日本語も上手。なんと3カ国語の達人である!!・・そこへ至るまでのご苦労を考えると・・すごい!の一言だ。

「オーストラリア人は、親切は人が多いから、大丈夫ですよ。時間にルーズで約束しても20分くらい平気で遅れてきたりするけど・・。でも気持ちが優しいから、看護婦さんのサービスのレベルは本当に世界一と言われているようですよ。」とご主人。

「でも、何でも困ったことがあったら、言ってくださいね!いつでも駆けつけますから!」という優しい奥さんの言葉に、胸がいっぱいになった :pen0_46:

Asahiもそうだが、いろんな人生があり、厳しい生活をしてきても、いや、だからこそ本当の優しさをもっている人達を目の当たりにできた事、それだけでも子どもたちには、ものすごい勉強になっていると思う。

制服の調達もできて、帰ろうとしていたその時、又しても日本語が・・
「日本からいらっしゃったんですね?」びっくりしていると、日本人の女性が「ここのIECには、もう一人、日本人の女の子がいるんですよ。先生方に、日本人が来たと聞いて喜んでいたんですけど、あなた方だったんですね。」とのこと。
「ありがとうございます。教えてくださって、本当に助かりました。Ai、よかったねー!」

つくづく人の情けが身にしみる、幸せな一日となった・・ :abbheartwing:

面接、終了!

午前中、High Schoolの面接テストに行く。その後説明があり、二人ともレベルは違うが、まずは、Intennsive English Centreという英語強化センター(Marsden High School の中にある)のビギナーのクラスに入ることになった。 ここは、正規のクラスに入ってみんなと一緒に勉強できる英語力がつくように指導してくれるところで、ここを卒業すると、晴れてネイティブと一緒に勉強することができるのだ。

センターには様々な言語を話せる先生がいるが、日本語が話せる人は、いないらしい。  日本人が多く住むのはチャッツウッドという開けた町で、ここウエストライドという田舎町にはあまり日本人はいないようだ。生徒に日本人がいたら・・と思っていたが、それはあまり期待できそうにない。でも、Aiは兄と一緒に行けることで、ずいぶん精神的なハードルが低くなるし、本当によかった。先生方も真面目で一生懸命親切に対応してくださるので、安心できる感じがした。

public_schoolr昼はTaikiの学校だ。受付がどこにあるのかわからなくて迷っていたら、「迷ったんじゃないですか?」と金髪の女性が声をかけてくれて、とっさにレセプションという言葉が出ずに、「レシート、いや、えっと・・レセプション?」ともたもたしてると、「ああ、お連れするわ。」と先に立って案内してくれた。脚の長さが私の胸くらいまでありそうな、長身の美女。「あそこは、売店よ。私は母親。」と笑顔も美しくまぶしいほどだ :angbhert1:

ようやく受付にたどり着いて、校長先生に親子共々面接してもらい、「よくオーストラリアにいらっしゃいました。」と歓迎してもらって一安心。この学校は1880年に創立したらしく、かなり古い歴史があるようだ。ただ、英語が母国語でない生徒のための英語強化センターのようなものはないので、いきなりクラスに入るしかないらしい。「Taikiにとっては、しばらく大変でしょうね・・。せめて一学年下のクラスに入るといいかもしれませんね。」ということだ。「ぼくだけ、ひとりぼっち?」と少しTaikiは不安そうだが・・ :pen0_07:

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これから州の教育機関で支払いの手続きをして、それが完了すると、入学許可証が送られてくる。そしたら、晴れて入学できるというわけだ。来週の後半あたりになるんじゃないかな。

左の写真はPublic Schoolの掲示板。右は学校の前の横断歩道の前の注意書き。

 

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学校へ行こう!

小学校(Public School)の面接は明日に決まったが、中学校(High School)からはメールの返事がこないので、朝、アポイントを取りに直接行ってみることにした。

どちらの学校も、家から歩いて5分かからないくらいの距離。日本では毎日歩いて30分の通学だった(帰り道は山登りなので、3年生だったTaikiは40分くらいかかっていたかな)子どもたちにとっては夢のような話だ。

syou_high_schoolr9時頃Shouと両親の3人で受付に行って事情を話すと、「メールをいただいていましたね。今朝返事をだそうと思っていたのですが・・。」ということだった。でもせっかく来たのだから・・と早速筆記テストをしてくれることになった。 英語の力はほとんどないのでELC(English Learning Course 英語を母国語としない生徒のために、英語の授業をしてくれるクラス)に入りたいのですが・・とお願いすると、担当の先生の所に連れていってくれた。彼女が、家族構成などの記載された書類を見て「あら、妹のAiはHigh Schoolの年齢だから、入れるわよ。連れてきてくださいな。」と言う。

実はAiはPublic Schoolに入れようと思っていた。(オーストラリアで暮らしていた知り合いの方の話によると、その方の子どもはテストを受けた結果、一学年下のクラスに入ったが、ちょうどよかったということだったので、Aiは英語の力もまだまだだし、その方がいいと私達は思っていたのだ)
が、とりあえずHigh Schoolでやっていけるか調べてもらうだけでも・・と急遽テストを受けさせることにした。

慌てて私が走って家に戻り、Aiに「中学校にいくわよ。用意して!」と言うと、彼女は一瞬びっくりしていたが、予想に反して嬉しそう。
「小学校は卒業しなくて、中学校に入っていいの?」と靴を履きながら聞く。
「うーん、小学校は中退かな・・。とにかく走ろう!」なんて冗談言っても、ニコニコしながら走って中学校に :dan-pen06:

「これが娘のAiです。」と先生に紹介し、早速彼女も筆記試験を受けた。
NOVAにしばらく通って、分からない言葉を話す人達に慣れていたからか、ここしばらく家族だけの生活で、新しいことに挑戦したくなっていたからか、二人ともこれも予想外に落ち着いていて、嬉しそうなのがとても印象的だった。筆記試験は勿論あまりできなかったようだけど、「わからないことがわかってもらえてよかったじゃない!」という事で納得していたし。
Shouは彼の好きな色(緑)がこの学校のカラーだということが嬉しかったそうだ。Aiも、なんだかハイになって「意外な展開!」とはしゃいでいる。

今日は筆記試験だけで、面接の試験は明日に、ということなので、明日の朝、もう一度High Schoolに行くことになった。明日はPublic Schoolの面接もある。

toorirhigh_school2r左の写真は学校から家を眺めた所。右は家から少し歩いて見たHIGH SCHHOL。これから何度となく見ることとなる風景だろう。校舎は2階建てで、広い芝生の校庭がある。緑豊かな学校だ。

それぞれの挑戦の始まり

午前中、HaruはMacquarie大学でミーティングがあった。籍をおかせてもらっている学科の修士の学生達、教授、そして同じようなゲストプロフェッサーが集まって、今後のことなどを話し合ったらしい。
初めて招いてくれた教授に会うというので、若干緊張していたが、40代くらいの、きさくな英国人で、暖かい人柄の方だったらしく、安心したようだ。 私達が家を何日か探し回っていた時も、「Yoshitakeの家がみつからないらしい。誰か良い所があったら連絡してくれないか。」と学生達にまでメールで聞いてくださったり、会う前から親切にしてくださっていた。
Haruが自転車で通おうと考えている事を伝えると、教授の部屋にあった自転車を試しに使ってみるといいよ、と貸してくださった。

彼らの専門は『自然言語処理』というのだが、集まった人達は15人。国籍はHaruを入れると11カ国というのだから驚く。(オーストラリア、英国、ドイツ、フランス、スペイン、オランダ、ポーランド、ブラジル、インド、スイス、そして日本)それぞれの人が、それぞれの国訛りの英語をしゃべっていて、それでみんな通じているらしい、というので驚いていた。ちょっとした国際会議である。

ところで小学校から連絡があった。電話でアポイントをとってくださいという事で、Haruが電話をし、水曜日に面接をしてもらうことに。

外国に行く前に「これからみんなで未知の世界へ出かけて冒険をするんだよ。」と、子どもたちに話をしていると、Taikiが 「なんだかゲームの世界みたいだね。仲間がいて、次々といろんな出来事に挑戦していくんでしょ。」と言っていた。
確かに、知らない世界で、ひとつひとつ課題に挑戦していき、その度毎に少しずつ経験値があがっていく。そして、仲間の持ち味をうまく生かして協力しながら、次々と進んで行く。そんなイメージはゲームと似ているかも。
それには変わりはないが、これからは、子どもたちも、兄弟一緒にいるよりも、ひとりで立ち向かっていく時間の方が長くなっていくのだろう。ここまでは兄弟仲が良いので、ずいぶん助け合って過ごしてきてたからリラックスしてたけど。 さあ、そろそろがんばらなきゃ、かな。

それには、まずゆっくり休める場所と時間を確保していかなければ :crasofa: