最終章の始まり

 今日から、子どもたちの学校が又始まった。
新年度ということで、Taikiの学校では、やはりクラス替えがあった。
 帰って来るなり、
「久しぶりやったけん、メチャ疲れた・・。」
と言っていたが、顔色は明るかった。
 新しいクラスには、元から同じクラスで、仲の良い子が4人くらいいるらしくて、安心したようだ。
一緒に休み時間に遊んだりしているので、男の子で知らない子は一人しかいなかった、ということだし。
 一ヶ月もお休みで家にいて日本語しか話さないと、又、英語だけの学校生活に入るのが大変なのではないか、などと思っていたが、もう、
「困ったら、友達に聞けばいい。」
という安心感があるので、それほどの緊張はないようだ。

 いつか彼が、
「うまくやっていくにはコツがあるっちゃんね。」
と、彼なりのコツを伝授してくれたことがある。
「たくさん話しかけてこられたらね、ちょっと困った顔して、『I can't understand.』って言った方がいいっちゃん。
言わないと、わかっとうのに何にも答えないって思われちゃうから、ヘンな顔されちゃう。
そう言うと、『ああ、そう、わからないんだね・・。Never mind.』って、いうことになるんだよ。」
 
ちょっと困った顔pen0_01というところに彼は、生きる道を見いだしているようで、なるほど・・と思った。
が、要するに、コミュニケーションしたいのだけど、言葉がわからないので、それができないのだ、という事を伝える、ということが大事なのだろう。

 確かに、いろんな場面で、
「すみません、英語がわからなくて・・。」
と言うことがあるが、嫌な顔をされる事はまずなかった。
とにかく、何とかしようという気持ちでものを言っていけば、何とかなることが多い。
(複雑な話は、やはり難しいけれど・・。
英語力がもっとあれば・・と思うことは、やっぱり多々ある。)

 この前も、郵便局で、
「ここに、封筒の中身を書いてちょうだい。」
と言われ、単語が出てこなくて、
「えっと・・。すみません、あれ、何て言うんでしょうか?」
と、ゼスチュアーで表現して、教えてもらった。
が、情けないことに綴りがわからない!
「綴りは・・えっと、すみません。英語をもっと勉強しなくちゃいけないんですけど・・。」
困った顔(かなり)をして助けを求めると、
「書いてあげるわよ。」
と、郵便局の人は親切に書いて、教えてくれた。
「ほら、こんなスペル。」
「Thank you for your help.」
汗かきながらの感謝に、
「No worries. Have a nice day.iconmaruy1
と笑顔。
何もかもスムーズにはいかない外国人にとっては、その日一日、幸せな気持ちにしてくれるような優しさだった。

 Aiの方は、IECのクラス3に上がったが、ほとんど前のクラスとメンバーが同じ。
IECにいた、もう一人の日本人の女の子は、一学期早くこちらに来ていたので、一足早くHigh Schoolに移ってしまった。
兄も今学期はHigh School。
AiがIECで日本語を話せる人はいなくなってしまったが、優しい友達がいるので、きっと大丈夫だろう。

 明日からShouのクラスも始まる。
日本の勉強の方は、まだまだ(全然)追いついていないようだけど、全てを手に入れるわけにはいかない。
新学期、新たな体験を、あまり無理なく、楽しんでやっていけますように・・。

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