「What can I do for you?」
今の状況で、今向かい合っているもの(人、こと)に対してできることは?
勿論、いつもというわけではないが、そう考えて行動していくと、悩んだり、退屈したりする暇はあまりない。
「Oさんのレバーハープ、に対して何ができるのだろう?どうやったら活かせることができるのだろう?」
しばらく頭にずっとあったこと。状況や持ち主のOさんの思いなどを見ながら、それを見つけていこうと思っていた。
きっかけは
「ハープを弾く日本人がシドニーに来た。」
という話をOさんが聞かれて、持っているハープを弾いてもらいたいとの思いを持たれた。
それをSさんが、私に話をもってこられた事からだった。
先週お伺いした時、
「弾くのはいつでも喜んで。」
という事はお伝えした。でも、私はあと半年余りでこの地を離れてしまう。
できたらそのハープを飾りでなく楽器として奏で続けてほしい・・。
その思いが自分の中では、とても強くなってきていた。
とにかく、何よりまず、そのハープを、演奏できる楽器として復活させることである。
いろんな経緯があって、放浪してきた彼女の、楽器としての生命を甦らせてほしい。
おそらく10年以上調律していないものなので、本当は構造を把握した方に機械的に、きちんと調節していただきたいところだ。
が、それを言っていると、又、いつになるかわからない。費用もかなりかかりそうだ。
ということで、とにかく今日は、弦の調弦をしてみた。
どうやら、とりあえず弦を音律に合わせて調律することはできそうだ。
が、弦を張り直したりしたので、今すぐには、まだ音が安定しない。それと2,3箇所調律が難しいところがある。
本当に安定して音が出せるのか、しばらく時間をかけて見てみないとわからない気がする。
でも、時々音を出し、まめに弦を調律していけば、なんとかなりそうな感じでもある。
(しばらく様子を見て、やはり必要だったら、調整できる方を探していただくよう、お願いしてみよう)
人様の楽器ながら、勝手に色々考えていた。
そして、少し弾かせてもらった。
すると
「やっぱり、いいですね・・。」
そして
「教えてもらえるんですかね?」
という言葉が・・!
「勿論です。ただ、できればこれから半年の間に、先生を見つけて、私が帰った後も、続けてください!」
とにかく6ヶ月あればドレミ・・をお教えすることはできるだろう。
メロディーを弾いて、もしかすると伴奏を少し・・そこまでいけるかもしれない!
そしてその先ずっと、このハープを奏で続けてもらえれば・・!
置いているだけでも美しい楽器ではあるが、奏でてこそ、ハープである。
部屋の片隅にひっそりと佇むミューズ(音楽の女神)の、歌声を響かせよう!
と、又、自分一人の中で盛り上がってしまう。
いやいや、人様のハープである。余計なお世話と言われればそこまでだ。
プラス、いつでも予測できない状況の変化はある。
・・とは思うけど、やっぱり、とりあえず、できることをしてみようと思う。