最終ページ

　私たちのオーストラリア滞在の日々も、残りあとわずかとなりました。
このブログも今日で最後です。
見に来てくださった方々のおかげで、ブログもなんとか続けることができました。
本当にありがとうございました。

　海外滞在の機会を与えてくださった方々、そして応援、協力してくださった方々に、心から感謝しています。
私たちのここでのテーマは、一年間、行ったこともない、知った人もいないという土地で、英語もできないまま飛び込んでいって、笑顔で暮していけるか、というものでした。
結局、この国の人々のsmileに助けられて、楽しく過ごせた、ということだった気がします。

　Haruは、大学で、自分の研究に落ち着いて没頭する時間を、より多く持つことができたので、今後の方向性などが、見えてきたようです。
　子どもたちは、価値観を広げるという意味で、すばらしい体験ができました。
見聞きしたもの、おそるおそるでも一歩踏み出した経験、全てが、きっと、これからの人生の中での栄養になっていくことだろうと思います。
色々な国の人と接して、興味も広がりました。韓国の子と仲良くなれたのも、とてもよかったと思います。
　私も、生活のリズムを取り戻せたのと、何と言っても時間の余裕があり、自分なりの目標に向かっていく、或いは、ただゆっくりする、なんていう時間が持てて幸せでした。 

 ♪Snow Patrolの「Chasing Cars」・・今、頭の中では、「Grey's anatomy」というテレビ番組のテーマ曲が流れています。
彼も気に入ったということで、昨日Shouと、聞き取って楽譜に起こすのに何度も聴いた曲。
ここで、過ごした時間と共に、思い出に残る一曲になりそうです。

　一年間の思いは一言では尽くせませんが、今、頭に浮かぶ、印象に残った言葉をいくつか追っていこうと思います。
あくまでも、お気楽な短期滞在者目から見た、わずかな情報からくる印象でしかありませんが・・。

★ Smile・・まず印象に残ったのは人々の笑顔。
シドニーに着いた時から、本当に笑顔をたくさん見た気がします。
どこでも見かける小さな優しさ・・でした。
小学校で先生が
「彼のsmileは、ほんとうにすばらしい！」
と、子どもを褒めているのを聞いて、とても驚いたことを今でも新鮮に覚えています。
オーストラリアは、smileを大切にする国です。

★ No worries.・・「いいよ。大丈夫。」
度々耳にした言葉。感謝の言葉の返事に。挨拶に。
なんてことない言葉だけれど、小さな事は気にしない、そんな人々の生き方、優しさがよく現れている気がします。

★ Inspired・・ある時、この言葉をよく耳にしていることに気づきました。
ちなみに私が気に入っていた手芸の雑誌のタイトルは「INSPIRATIONS」。
例えば、イアン・ソープ選手について「彼は多くの若者をインスパイアーした。」とコメンテーターが言っていました。
良い意味で、刺激する、ということなのでしょう。

★ Brave・・例えば、Taikiのクラスの寄せ書きの中で、先生が書いてくださっていた言葉。
「彼は、みんなの前で発言することができて、とてもbraveでした。」
自分の中の気持ちを乗り越えることをbraveという言葉で表現するようです。
私たちみんな、いつも「＊＊ができない」、「＊＊がわからない」という状況だったので、時にはbraveでいなければなりませんでしたが、そこらへんを認めて励ましてもらえる社会というのは、とてもありがたいものでした。

★ Patient・・白人社会ではとにかくoutgoingでaggressiveでいた方が・・というイメージがありましたが、必ずしもそうではなかったようです。
勿論、積極的であるのは良いことです。
が、人のために待つ、協力するという力が色々な場所でむしろ評価されるようでした。
generous、優しいという事がとても大切なのは、どこでも同じことです。

★ Because・・言い訳などはしない方が潔い！なんて思っても、ここでは、やはり何事についても理由を言った方がいいようです。
「言わなきゃ、わからないでしょ。」
と言われると、確かに・・。
"You are wasting my time."
学校などで、たまに耳にする言葉。厳しい言葉だけれど、遠慮して相手の時間を無駄にするより、言いにくいことでもはっきりと言った方が良いようです。

★ Birthday card・・とにかく誕生日カード、結婚祝いのカード、などなどカードの種類が多い。
誕生日カードのコーナーには、1才、2才・・と年齢別にずらりと並んでいる！店の人によると、ギフトラッピングなどに凝る人も多く、会社の休み時間に彼女にプレゼント包装の紙とリボンを選びに来る男性も多いとか・・。
気持ちを伝えるために行動することが大切、という習慣、だと思います。

★ Enjoy・・生活を楽しむことが上手な人が多くて、ステキだな、と思いました。
ゴルフやボーリング、いろんなスポーツ、あるいはピクニック、ブッシュウォーク、あるいはただのんびり公園でくつろぐ・・など、自然の中で過ごす時間をゆっくり楽しむ人々の光景をよく見かけました。
ユーモア、これも、人生を楽しむエッセンスのようで、とても大切にされています。

　価値観の違う所での海外生活は、まるでファンタジーの世界での生活のような楽しさがありました。
特に多国籍社会の中では、常識、価値観、みんな違って当然という感覚があります。
そんな中で、人種を問わず、人間に共通するものもあって、みんな、同じなんだな・・と感動することも。

　あまり英語がしゃべれないままの海外での生活は、言葉のハンディーがある故に、小さな子どもに戻ったような心細さのする毎日でもありました。
だからこそ、ことさらに人々の優しさ、自然の美しさが身にしみました。
まるで、力ない小さな子どものような頼りなさを感じながら生きていく、それだからこそ感じられる新鮮さもありました。毎日が冒険・・みたいな・・。

　不安を抱えながらやっていく中で、家族がそれぞれの力を出して補い合っていくことの強さが感じられたし、一層助け合えた、という事もあります。
そして、それぞれが家から出て社会生活をすることで、みんなの世界が広がっていきました。

　いろんな面で、とても意味のある一年でした。
支えてくださった全てのみなさまに感謝しています。
みなさまのご親切が、何よりの力となって、無事に過ごすことができました。
ほんとうに、ありがとうございました。
みなさまのお幸せを、心からお祈りしています。