その一言が言えなくて・・

 今学期に入ってから毎日、Taikiは学校にテニスボールを持って行っている。休み時間に遊ぶのに使うらしい。
学校で友達と数人で遊んでいる所を見たら、テニスボールを壁に当て、それを誰かが手のひらで打って壁に当てる、そして跳ね返ってきたボールを次の誰かが打つ、その繰り返しをして楽しんでいた。

 最近は学校が終わって、しばらく遊んでから家に帰ってきている。
家から学校までは歩いて3分もかからないくらいなので送り迎えはしていないが、ちょっと気になって迎えに行った時もその遊びをしていた。

 迎えに来たことに気づいても、なかなか帰ろうとしない彼に
「Taiki、帰るよ!」
と声をかけると、彼は、やっと、そこにいたグループの中で一番体の大きな子どもの前に行って
「I must go home!」
と言った。それでも、その子は、なかなか遊びを止めようとしない。そしてTaikiも遊び続ける。 

 と、一緒に遊んでいた小さな男の子が
「Taiki must go home! Taiki must go home! 」
と、一生懸命その大きな子に何回も叫んでくれたではないか。cangckirakira
すると、やっと彼も帰る支度を始め、みんなの遊びが終わった。 自分だけ遊ぶのを終わって帰れば良いんじゃないの?とTaikiに後で聞くと、ボールは自分のだから・・ということだった。

 なるほど・・。以前、
「一緒に遊んでって、なんて言えばいいと?」
と聞いてきた。
「Can I join(play)?」
その後そのフレーズを覚えて、それで通じた!と大喜びしていた。soccer-newckaer
そう言って断られることはまずないらしく、遊びの輪に自分から入ることができるようになったようだ。

 その後、今度は、
「遊びを終わって、帰る時、なんて言えばいいと?わからんっちゃんね。」
と聞いていた。
「それが言えなくて、今日は、永遠に遊び続けなきゃいかんかと思ったよ・・。」
言葉が出てこなくて、参った・・。pen0_12そういう日もあった。

「I must go home.」
その言葉を覚えて、今は使っているようだが、遊びのグループの中のルールや序列があって、なかなか思うほどスムーズにいかない事もあるようだ。

 助け船を出してくれたのは、Taikiと仲の良いティモシーというお友達で、体の大きな子は彼のお兄さんらしい。
年上と遊べるのは嬉しいけど、ちょっと不便なことも・・そんな感じのTaikiだが、ティモシーが彼の事を思いやって助けてくれようというのがすごく伝わってきて、こんな仲間がいるなら大丈夫・・そんな感じがした。ありがたいことだ・・。 
 ティモシーとはクラスが一緒で、とても気が合うようだ。とはいっても、80%以上、助けてもらってるのでは無いかと思うが・・。

 誘ってもらったら、やっぱり遊んで帰りたいよ・・という事なので、気が済むまで遊んでくるようにと言っている。
英語力が格段についてきているわけではないが、コミュニケーションのやり方は、わずかでも、ひとつずつ体得していっているようだ。

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