☆Athletics Carnival☆

　毎週火曜日にPublic Schoolから通信が配られる。保護者への連絡をこれほど丁寧にしてくださるとはありがたいことだ。
先週の出来事、今週のお知らせ等が書いてある。今日のところには『Athletics Carnival』とあって、保護者もどうぞ来てください、と記してあった。

　 つまるところ、運動会のようなものらしい。が、こちらの運動会は学年で区切られていて、全学年での大がかりなものではないようだ。
今日は、３〜５年生のみの行事のようだった。（ちなみにTaikiは4年生）

　 午前9時半から始まると書いてあったので、少し時間をもらってHaruと一緒に様子を見に行ってみた。
今学期、担任の先生が替わっていたのだが、まだ新しい先生に挨拶もしていないので、その目的もあった。

　一体、どんな運動会なのだろう？

　まず、感じたのは、どうもこれは日本のように、音楽をかけて、気分も盛り上げながら
「さあ、みなさん、がんばりましょう！」
といった感じの行事ではない、ということ。見に来ている保護者も子どもの数からすると、意外に少ない。働いている方が多いからなのだろうか。

　通信には、子どもたちは『house groups』に分かれて座るのだとか、できれば『house color』のTシャツを着て来るように、と書いてあったので、何だろうと思っていたら、赤、黄、緑、青と４種類の色分けしたグループがあって、ハウスとはそのグループのことだった。
でも黄色のポロシャツにブルーのジャージといういつもの体操服姿の子も多かった。

　種目は４００ｍ、１００ｍのかけっこ、障害物走（袋に入ってピョンピョン跳んでゴールまで行くものや、スプーンにゴルフボールをのせての競争など）などだった。
　一人の先生がスピーカーで指示をして、出場する子どもたちに準備をするように指示をしていたが、見ていると、その子の好きな種目に出られるようで、思い思いの、やりたい競技に出ているという感じだった。　
　子どもたちは何位になっても、その後の笑顔が清々しくて、とても純粋に競技を楽しんでいる感じが見ていて気持ちがよかった。

　Taikiはと見てみると、先生がスピーカーで話している事など全くわからないし、お友達の話も多分半分くらいしかわかっていない。でも、何かが始まるときには、きっと誰かが来て何か話しかけてくれる。わからないなりにも何とかなっている、そんな感じだった。
　話をするわけでもないのに、横にすっと来てくれるお友達もいて、なんとなく気が合っているんだな・・という感じだった。　　
　いつも思う事だけど、勉強など、ついていけない事もたくさんあっても、こちらの文化の体験をすることの方が何倍も価値があるから、とにかく、その場に自分なりの居場所をつくって、楽しく過ごしてくれれば、それでOKだ。
　
　ところで担任の先生。以前の大きな先生から『お姉さんみたいな先生』に替わったという話を聞いていたので楽しみにしていたら、予想以上にステキな先生だった。
(写真の、帽子をかぶった先生。人様の写真を撮るのはルール違反なのだが・・）

　挨拶に行くと、まず、
「彼はとってもかわいい子です。いつもはとっても静かにしていますが、この前、お父さんの事をスピーチする、という授業があった時、しっかりとお話してくれて、感動しました。嬉しかったです。」
と、なんとまあ優しいこと・・。しかも、美しい！
大学を卒業して2年だという、まさにお姉さん先生だった。そして、なんと先生は以前2週間ほど日本にいた事があったらしい。
「でも、日本語は話せないんですよ・・。」
なんて、こちらが望んでもいないことまで笑顔で言ってくれる思いやり・・。

　本当に今日は来てみてよかった・・そう思った。

　前の先生も、どっしりとして温かい方だったが、この先生は、配られたプリントで、スペリングなどがわからなくてTaikiがモジモジしていると、算数のプリントに変えるのではなく（それも優しさだったのだが）
「できなくてもいいから、とにかくやってみて！」
と言って、ほとんどできていなくても、挑戦したことを褒めてくださるそうなのだ。
　この国で彼が身近に接するオーストラリア人の大人、その方が私達が心から尊敬できる方であるという事が、何より嬉しい。しかもチャーミングだとくれば、言うことなしではないか！

　のんびりとした運動会だったが、子どもたちのかわいらしさ、のびのびした様子も見られたし、Taikiの普段の様子も見られたし、行ってみてよかった。

 　　校庭に描いてあった絵。なわとびをしながら進んだりして遊んでいるらしい。