借家の契約更新

 シドニーに来て、半年経った。
携帯電話の契約更新、家の賃借期間の半年間延長、車の点検とエンジンオイル交換、いくつかやることがある。

 半年契約だった家の契約更新をするために、Haruが、3週間前に不動産屋に出向いた。
受付嬢は、
「あら、大丈夫と思うわよ。大家さんに、聞いとくわね。」
と、軽く請け合ってくれたのだが、次の週に行っても、
「あら、まだ、大家さんがつかまらないのよ。今度やっとくわ。」
と、一言であしらわれてしまった。

 ここでの暮らしに少し慣れてくると、そんな言葉を信じてはいけない事がわかってくる。
ただ待っていては、何も進まない可能性が限りなく高いのだ。
そこで
「何とか確証が欲しい!」
と、Haruが粘る。
 すると、彼女は、
「半年契約を更新したい、という事を書いて、サインしてちょうだい。」
と、白い紙を渡してきた。cmemo

 半年契約の最終日は今週の12日。
さすがに今週になれば準備はできているはず・・と、9日(月曜日)に再度出向く。
「あら、まだ大家さんの確認が取れてないのよ。きっと大丈夫よ。」
・・。icon_eek唖然。(あの紙は一体何だったのだろうか?)

  これくらいでめげたり怒ったりしていては、この国では暮らせない。
(おおよその予想通り、物事はやはり一向に捗らない。では・・?)
そう考える方が、心身の健康に良い。

「こうなったら、毎日顔を出すしかない!通勤途中に、自転車で立ち寄るよ。」
さすがに毎日顔を出して笑顔で催促されたら、何とかアクションを起こしてくれるに違いない。
 覚悟を決めた彼。

今朝、又、不動産屋さん訪問。 
すると、やっぱり
「エージェントが何かやっていたみたいだけど・・。」
相変わらず煮え切らない返事。悪気は無いけど、やる気もない。そんな感じである。

 しかし、幸いなことに、家の最初の契約の時に、助け船を出してくれたエイドリアン君(エージェントの一人)がそこに!
「彼に、この件、どうなっているのか、聞いてくれませんか!」
Haruが、頼みの綱にすがる。
受付嬢も、断りはしない。

 そこから、事態は急展開を見せ始めた。
仕事のさばけるエイドリアンは、家の賃貸契約書を調べて、言い切ったのだ。
「OK。6ヶ月の更新ですね。書類を作っておくので、午後、手数料33ドルを持って来てください。」
さすが、我が家のヒーロー、エイドリアンである!(あら、いつの間に?!pen0_13

 今度こそ!夕方もう一度出向く。と、そこに、彼がいた。仕事のできる男(もう、何とでも誉めよう!)である。
Haruが手数料を支払い、分厚い書類にサインをし、彼がサインをする。
そしてエイドリアンの一言。
「All done!」
笑顔。ckirakira・・それは、疲れ果てたHaruにとっては、まぶしいほどの微笑みであった(多少脚色あり)。

 これで、これからの半年、引っ越さずにすむ(多分)。
願わくば、不動産屋の鏡、エイドリアン氏の人生に、幸多き事ことを!conegai

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