命を賭けたメッセージ

 朝、ニュースを見ていた子どもが
「オーストラリア動物園の、あのクロコダイル・ハンターの人が・・。」
と言っていたのを、
「え、そんなはずは・・。」
と、半信半疑で聞いていたが、残念なことに本当だった。

 『スティーブ・アーウィンさんは、グレートバリアリーフでドキュメンタリーの撮影をしていた最中に、スティングレイ(エイの一種)の毒針に胸部を刺されて死亡した。』
その後のニュースでも繰り返し、流れていた。

 動物園運営、テレビ出演(「クロコダイル・ハンター」)などで有名だが、本当に自然保護に熱心で、オーストラリアにとって、とても大切な人だった。
9歳の頃から、ワニの扱いを父親から学び、それからワニの保護プログラムに関わったり、コアラの保護活動を行ったり、環境保護のために多大な努力をしている。
空港などでの検疫の輸入管理のポスターにも登場して
「オーストラリアの固有の動植物、みんなで守ろうよ!」
と、笑顔で強いメッセージを送っていた。

 その底抜けに明るい、素直な性格や、純粋さで自然保護を訴え続ける彼の姿は、爽やかで強烈な印象を多くの人に残した。
 マスコミの前で見せる姿は、エンターテインとメントとしてもすごかったが、それは彼の心からの自然保護の信念に基づいたものだった。
実際に、開発業者に奪われる前に原野を保護しようと、オーストラリアとバヌアツ、米国などで原野を購入したりもしている。

 パースの『ワイルドライフ・パーク』では先日、人なつっこいコアラが何者かによって命を奪われた。
 オーストラリア博物館には、絶滅した種の名前が、長々と記された記念碑があって
「これから先、どれほどここに載せる名前が増えるのかは、あなた方にかかっているのです。」
そんな事が記されていた。

 「野生のコアラの数も減っているんだよ!生き物を、自然を大切にしようよ!オーストラリアの森林伐採の状況も深刻な問題で、考えなくちゃいけないんだよ!」
・・彼が訴え続けたことだ。

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