オーストラリアでの嬉しい出会いの中に、Ida Rentoulという人がいる。
といっても、この方は、1888年に生まれ、1960年になくなってしまった絵本のイラストレーターだ。
何枚か、この画家のポストカードを持っていて、大切にしていたのだが、オーストラリアの人だった事を初めてここで知った。
この国で、国際的に認められた最初の絵本画家ということだ。
調べたことはなかったのだが、その繊細な絵から、てっきり英国の画家だと思っていた。
彼女は数多くの本の挿絵を描いている。
その中のどれかは店にあるだろうと思って、本のリストを持って、大きな書店に行ったのだが、
「この人の本は、ありませんね・・。」
と、あっさり言われてしまった。
2軒目の書店でも同じだった。そこで、とても残念そうな顔をしていると、
「こういう本は、Amazonなどで探した方がいいですよ。」
との事。
今時、流行らない本なのだろう。
が、ポップアップなどの仕掛け絵本や、色鮮やかな絵本も、確かに楽しいが、こういう深い微妙な色彩の絵本も、子どもたちの目にふれるところに置いておいてほしい・・と、ちょっと残念な気がする。
家に帰って調べてみたら、確かに、何冊かを、手に入ることできることがわかった。
思い切って、取り寄せた本の表紙。
この本は、美しい色彩の風景の中に優美な妖精や、ちょっととぼけたエルフたちが描かれている、詩の絵本だ。
詩は(まだ(?)読んでいないが)挿絵を眺めるだけで、充分心が満たされる。
挿絵の中には、コアラや、クッカバラなど、オーストラリア固有の生き物が、ユーモラスに描かれているページがあって、なるほど、オーストラリアの画家なのだと納得した。
大切な宝物になりそうだ。