2016年10月01日(土)
曇り後晴れ
参加者: 田崎、林、平田
走行距離: 320km (8時~18時30分)
記録:平田
フルスロットなのに50kmしか出ない、しかも時々プシュ、プシュというエアーコンプレッサーから吹き出す音に似た排気ガスが出る始末。2014年11月に武内さんと鳥栖筑紫野バイパスの帰り道に出たトラブルと同じ。その時も雨の中を走りながら、今回と一緒の状況だった。家に帰り着くまで回復するのに暫く掛かり、今回もそうかと一瞬悪夢がよぎる。それでも低速高回転でシリンダー内を熱し、調子を戻そうと試みる。その甲斐あって何度か不調・復調を繰り返すうちにいつもの状態に戻りホッとする。多分、2本あるプラグのどちらかが不燃性タールに覆われ、高温の火花がうまく飛ばない状態になっていたのだろう。時々復活し、余計なタールを燃やし尽くせば元通り、これで今日のツーリングを楽しめる。
午前8時に福重ナフコに集合はしたものの、天気予報では西方面から雨雲が懸かってきそうなので、行くなら南方面が良さそうだと相談がまとまり、田崎さんには逆戻りで申し訳なかったが、環状3号線を東に進む。途中南下するために県道5号線へ入るが渋滞に巻き込まれ、苦労しながら鳥栖筑紫野バイパスへ。雲行きを気にしながら走っていたが、二日市温泉を過ぎた辺りから小雨状態となる。おまけにホークのエンジン不調のダブルパンチ、先行きが案じられる。我慢しながら久留米市に入り河川敷ゴルフコース辺りから南の空に青空も見え、気温も上昇し蒸すので合羽を脱ぐことに。登山の時にやっていた“着干し”よろしく、バイクの風で濡れた服を乾かす荒技で、直ぐに快適な衣服環境に。でもこの日は終日蒸し暑く、途中で見た道路脇の温度表示は30℃を示していた。10月としては可成り記録的な温度上昇。
筑後川にかかる城島町の赤く塗られた昇開橋が見えだしたので、休憩を兼ね立ち寄ることに。
10時を過ぎていたが他に観光客はおらず、3人の為に背丈ほど上がっていた昇開橋を下ろして渡れるようにしてくれた。詰め所にいたスタッフから橋の説明を聞いている間に、20名程の団体がやって来たので、今度は昇開橋を可成上の方まで巻き上げ始めた。昔は30m超のマストを持った汽船が通行する為にこの昇開橋が必要だったとの事だが、今はその必要も無く、観光の為だけに上下させていた。片道が507mあるので対岸までは歩かず、昇開橋の前で記録写真を撮って先を急ぐ事に(建設 S10年佐賀線、S62年廃線、国登録文化財、鉄塔高さ 30m、可動橋自重48t・長さ24m、カウンターウェイト20t✕2)。
大川市から有明沿岸道に乗り普賢岳を正面に見ながら進み、大牟田市から玉名方面へ向かう。沿岸道は信号もなく快適に走れるが、208号線へ出ると下道の宿命で、大型トラックやら買い物車に先導され思うように進まない。
休憩を兼ね長州港に立ち寄ると、あと25分程で島原半島行きのフェリーが出る事が分かる。海上に大きく見えるようになった普賢岳山頂の雲が取れ、天気の問題も無くなり、急遽有明海を横断することになった。
12時5分に出港、45分で田比良港着。出航後は青空の下360度見渡せる屋外デッキから景色を楽しみ、後半は船室で涼みながら上陸に備えて相談タイム。窓に見えだした天草がこんなに横に大きかったのかと、改めて感じさせられた。天草の島々には宿泊ツーリングでないと厳しいが、スケジュールが合えば企画したいものだ。
上陸後は昼食タイムに入っていたので、真っ先に食堂探しに。田比良港まで一緒だったライダーがガマダスロードへ入り込んでもひたすら57号線沿いの食事処を目指し、広い駐車場で立派な店構えの「仲よし」に入る。お店は海が見えるところがちょっと高めの会席料理、内陸側が一品料理もあるレストラン。勿論、一品料理側へ!老舗らしく頼んだ島原豚丼と懐かしちゃんぽんは共に正解で、おいしく満腹感も十分だった。でもこの日は30℃を超える暑さに汗を拭き拭き状態だったので、冬ならもっと好印象だった思う。
林さんがスマホで見つけたガマダスロードの情報を店の人に聞き、少し逆戻りとなったが無事乗り入れる。諫早湾干拓道路から繋がる道で、これを使えば口之津までは快適かつスピーディに行ける。特に25年前に発生した火砕流痕は高架になっており、速度制限も70kmとライダーにとってはがばい道路。おまけに海岸線を並走するので、対岸の熊本市側や天草が海越しに眺められ、一度は走りたいお勧めロードだ。
今回は思いつきで島原まで来てしまったが、普段だと距離が伸びるので半島一周は考えもしないところだが、天気も良くなり、逆に遅くなった分帰りは諫早から高速を使えば、いつも通りの時間に帰れるだろうと、いざ一周ツーリングヘ。交通量は少なく快適に走れるが、口之津まで来るとパトカーが車列を先導していた。このまま小浜温泉まで大名行列に加わるのも嫌なので、急遽案内看板が目についた原城址に立ち寄ることに。特に事前知識を持って寄り道をしたわけではなかったが、城址としては立派な遺構、天草四郎像、巨大な十字架があり、残忍な制圧を受けたキリシタン弾圧の歴史が垣間見られる。城址は高台にあるので遠くは熊本市越しに阿蘇山、九州の脊梁山地、天草の島々が眺められた。沖合には何の漁か不明だが、漁船が集まり漁をしていた。土曜の午後、静かで長閑な雰囲気の中で、現代の平和をかみしめた瞬間だった。
帰りに休憩を取る為、愛野峠の展望台に立ち寄る。オイルショックの頃、橘湾には備蓄タンカー群が停泊していた事などを思い出しながら海を眺めていると、頭上ではパラグライダーが指呼の高さで旋回している。こちらから手を振ると向こうも手を振り替えし、興味深く視線を向ける。まるで芋虫の様な寝袋状の飛行シートが目を引くが、うまく風に乗っているのか同じルートを旋回していた。
諫早からの高速で久し振りに100km走行をしたが、非力の250ccではタコメーターは8000回転まで上がり結構無理しているのが分かる。小休止を取った川登SAでマフラー集合部から黒煙が上がり、このまま走り続けられるか心配させられる場面も。100kmをほぼキープしたので、帰りの三瀬峠は少々回転数を上げても調子よく吹き上がった。ただ高速の大村辺りでの霧雨と、三瀬の福岡側で霧が懸かりだし、天候を心配したが無事に帰り着くことが出来た。残暑が残る中、久し振りにてんこ盛りの充実したツーリングを楽しむ事が出来た。
福重 → 環状3号線高架下道 → 鳥栖筑紫野バイパス → 久留米市 → 昇開橋(城島町)→ 有明沿岸道 → 長州港 → 田比良港(国見町) → 昼食(仲よし)→ ガマダス道路 → 原城址(口之津)→ 愛野展望台 → 諫早IC → 佐賀大和IC → 三瀬峠 → 野方