♧『おぼえていろよ おおきな木』

『おぼえていろよ おおきな木』(さのようこ 作/銀河社)

これは、ひとりのおじさんと大きな木のお話。

お じさんの家は、大きな木のかげにあるのですが、木のことでおじさんはイライラしています。

なぜって朝ゆっくり寝ていたくても、木に集まってくる小鳥のさえ ずりがうるさくて眠れないし、木の陰になって洗濯物もパリッと乾きません。

腹が立つことはまだまだあります。

夏にハンモックをかけて寝ていると毛虫がくる し、寒くなる季節には、掃いても掃いても落ち葉が落ちてくるし・・。

ある日、とうとう、

「おぼえていろ!!おぼえていろ!!」

おじさんは おおきな木を 切り倒してしまいました。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

(イライラのタネがなくなって、せいせいした!)

そのはずでした。

でも、それから、おじさんは朝、小鳥の声に目覚めることもなくなりました。

洗濯物を干すロープをかけていた枝もなくなりました。

ハンモックで寝ようにも、ぶらさげる木がないし、ほうきがあっても、もう木の葉はありません。

おじさんは、きりかぶをみて、それから うえの ほうを みました。

そらが あるだけでした。

ある日、おじさんは大きな切り株を見て、たまらなくなりました。

そして、大きな声で、泣きつづけました。

おじさんは なきやんでも、まだずっと したを みていました。

よくみると、きりかぶから ちいさな あおいめが でていました。

おじさんは かおを くっつけて、まちがいではないかと、よくみました。

やっぱり あたらしいめでした。

そして・・。

 

初めて読んだ時、鋭い痛みを覚えました。

しばらくすると、痛みとともに、あたたかい気持ちになりました。

おじさんと木のお話ですが、(愛って何?)そんなことまで考えさせられました。

大人の心に響く絵本・・・。

「愛するものの不在」というものを経験した人の心には、ことさらストレートに響く絵本ではないかと思います。

すごい絵本だと思います。

 

 

 

 

 

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