♧『かあさんの いす』

かあさんのいす (あかねせかいの本 (8)) 『かあさんの いす』 (ベラ B・ウィリアムズ 作/絵 佐野洋子 訳 あかね書房)

食堂でウエートレスをして、生活費を稼いでいるかあさん。

家に帰ると、機嫌のいい時もあるけど、ほんとうに疲れきってしまっていることも、よくあります。

 

かあさんは、稼いだお金の小銭の分を、いつもわたしにくれます。

おばあちゃんも、買い物で得をした時、小銭をくれます。

わたしは、そのお金を、大きなびんにいれます。

時々、その店に手伝いに行って、お金をもらった時も、必ずそのびんに入れることにしています。

 

そして、

びんがいっぱいになったら、そのお金ぜんぶもっていすを買いにいくのです。

すごくふわふわで、すごくきれいで、すごく大きいのを買うのです。 それは、バラのもようがついたビロードが、かぶってなくてはいけません。

世界じゅうでいちばん、すてきないすを買うのです。

・     ・     ・

なぜかって?

一年前、家が火事になってしまったんです。

残ったのは、灰と、燃えかすだけ・・・。

わたしたちは、何にもないアパートに引っ越しました。

 

いいこともありました。

 

そんな時、近所の人が、いろんなものを持ってきてくれて、みんなで助けてくれたんです。

「ごしんせつに、ほんとうにごしんせつにありがとう。まだまだわかいから、これからよ」

おばあちゃんはそう言って、みんなから拍手をしてもらいました。

 

でも、あの火事からずっと、仕事で疲れて帰って、足が痛い時、かあさんは、

「足を休ませる椅子さえないんだから」

って言います。

おばあちゃんも、堅い椅子で、毎日がまんしています。

・     ・     ・

ある日、とうとう、大きなびんは、いっぱいになって・・・。

・     ・     ・

厳しい生活の中でも、みんなで支え合って、たくましく生きていく様子が、限りなく明るく、パワフルに描かれています。

苦労して、みんなで協力して得た、世界一のいす。

そこに座る家族の表情の、なんと満ち足りていることでしょう・・

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