✵旅するハープ50(クロスオーバー!)
一昨日、長崎県のさざなみ保育園に、ハープを持って行ってきました。
今年の1月に一度、お伺いしたことがあって「空が見えるドームのある保育園」、そして何より好奇心旺盛で行動力のある園長先生がとても印象的でした。
今回も、キーボード奏者の大川さんからの依頼で、美しい声の和嶋さんと、3人で演奏させていただきました。
今回も、びっくりすることがいっぱい・・・。
雨の中、園に着くと、即座に園長先生の指示で、ハープにブルーシートがかぶせられ、力強い男性と、フットワークのすばらしい先生方に運搬していただきました。
ドームのようなホールに入ると・・・
本田哲也さんの絵本の原画展をやっていました。
まず、その絵に、感動。
動物たちのものが多かったのですが、その絵からは、毛並みの感覚、息づかいまで伝わってきます。
中でも、鹿の顔を描いたもの、その表情に、なんと言っていいかわからないほど、感動しました。
本田さんは、園長先生から聞かれていたようで、私に気軽に
「絵本、描いたんだよね。」
と、声をかけてくださいましたが、私は、絵なんて描いた事もなかったけど、やむにやまれぬ思い、その勢いだけで描いた絵本だったので、とても恥ずかしく、
「すみません・・・」
としか言えず、頭をポリポリ・・・。
とにかく、自然の中での動物たちの姿、生きている絵たちに、まず、あたたかいエネルギーをいただきました。
さて、時は過ぎ、続々と子どもたちと、お母さん、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんが集まり、コンサートの始まりです。
今回のメインは、絵本の音楽入り読み聞かせ(プロジェクターで絵を大きく映しながら、和嶋さんが絵本を読み、キーボードとハープの音の中で歌っていく・・・というもの)。
「ずっとずっとそばにいるよ」という、本田さんの描かれた絵本に、大川さんが歌や曲をつけ、3人でそれを演奏しました。
作者の前でのパフォーマンス、ちょっとドキドキでしたが、本田さんは、とても喜んでくださったようで、嬉しかったです。
♪「夕焼け小焼け」「まっかな秋」「絵本」「引き潮」「星に願いを」「いつも何度でも」「花は咲く」「おかあさん」「希望の歌」
そしてアンコールは「いのちの理由」
「希望の歌」はベートーベンの第9に日本語の歌詞をつけられたものですが、和嶋さんの声が響き渡り、キーボードの迫力の演奏に、大人も子どもも、ホールが一体となった感じでした。
コンサートの後は、園長先生が「COURAGE(クラージュ)」というお店でビーフシチューををご馳走してくださったのですが、それがまた、感動的に美味しくて、びっくり。
佐世保でアレルギーを持つ方たちのために「卵・乳・小麦粉を使わないケーキ」のお店「Petit Lapin」をやっていらっしゃる江口さんともご一緒したのですが、その方の熱い思いや生き方にも感動・・・。
あのビーフシチューができるまで、どれだけの時間と、どれだけの思いがかけられたのだろう・・・と、それだけでも胸がいっぱいになります。
それぞれの人たちが時間をかけて、心を込めて取り組んできたこと、それらがギュッと詰まって、凝縮されたものが混ざり合った、まさにそのビーフシチューのような時を過ごさせていただいている感覚でした。
深夜の高速、後ろにハープを積んでの帰り道、あの鹿の表情と本田さんの真摯で静かな表情、和嶋さんの歌声、大川さんの才能と園長先生のパワー、その原動力となる子どもたちの活き活きとした笑顔、先生方の忍耐力や優しさ、江口さんの人への思いと、レストランの方の見事なビーフシチューに込められた気持ち・・・
頭の中で、いろんなものがクロスオーバーしていました。
空の見えるドームの中から、熱い思いが発信され、世界に広がっていく。
ドームの中で心と心がつながり、スパークしたり、キラキラした思いはドームの窓から外にあふれだしていく・・・そんな様子がなんだか目に見えるようです。
本当に、すばらしい体験をさせていただきました。みなさま、ありがとうございます。
又、園の先生方、ハープを運んでくださった方、本当に気持ちよくお手伝いしてくださって、心から感謝しています。
ありがとうございました。
11月 12, 2012 月曜日 at 10:17 am