Flying Island

いつも心に花と羽

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✵バイクのこと

幼い頃からぼーっとしていて、思ったことを言葉にするのが苦手だった。
幼稚園で、みんながどうしてあんなに楽しそうに遊んでいるのかがわからず、
どうやったら中に入れるのかもわからず、ただじっとしていることが多かった。
そんな様子を見て、母はとても心配し、悩んだらしい。
(今となっては申し訳ない、としか言いようがない。)
心配される方はというと、周りの比較で批判されたり心配されたりすればするほど、コンプレックスが膨れ上がっていくばかり。
ただひとつ、ピアノを弾くのは好きだった。言葉でない表現ってところがよかったのかも。

そんなこんなで自己肯定感がなく大きくなっていったけど、高校の時かな、『ナタリーの朝』という本にめぐり会った。
容姿にコンプレックスを抱く主人公の女性が、人との出会いの中で変わっていく話だったと思う。
とても共感したのと同時に、主人公がどこへでもバイクに乗って走っていく爽快感に、強烈な憧れを抱いたことを鮮明に覚えている。
物語の詳細は忘れたけど「わたしのヤマハ」と呼んでいたのが印象的だった。
わたしの自由=わたしのヤマハ、そんな感じがして。

実家を離れて大学に入って、周りにバイクに乗る人がいたので影響され、中型2輪の免許をとった。
そして、周りの仲間のおかげで軽くてスマートなオフロードバイクを手に入れた。
軽くて取り回しがいいと思いきや、身長が低いので足つきが悪く、立ちごけばっかりしていた。
方向オンチもあって、気持ちよく走って行って気がついたら知らない場所。
交番を探して「ここはどこですか?」と尋ねることも・・・。(今みたいにナビとかないし)
超カッコ悪いバイカーだけど、それでも好きっていうのはどうしようもない。

お見合いの時は、相手もバイクに乗るということで「ツーリングに行きましょう!」と意気投合。
結婚してからは子どもが生まれる、子育てで多忙、学費が嵩む・・・色々あって何回もバイクを手放し、
それでも結局、夫が不憫に思って中古を買ってくれる・・・
この繰り返しだった。

「かあさん、幼稚園のお迎えバイクだったよね。」
子どもに言われて、そんなこともあったねと・・・。

全然上手ではないし、足つきの悪いバイクで走るのは怖い。
それでも、それでも乗りたい。
走っている時の幸福感は、たとえようがない。

そして、子育てもあと少し。金銭的に最後のふんばりどころ。
ということで、しばらくバイクがない状態が続いていた。

脊椎症でまともに歩けなくなるかも…という状態から回復した今、
いつ、何があるかわからない、ということを痛感した今、
間近に迫った車の車検の話から
買い物の足に電動機アシスト自転車を求めて見に行った帰り道、
「自転車、絶対乗らんやろう。バイクにしよう。」
と夫からの声。

やっぱりそれは無理よと言いつつもスマホを見ていると、スーパーカブの写真が。
・・・かわいい。
スーパーカブ110はシート高735cm。車両重量99Kg。

こ・・・これは・・・。
体力が落ちた今でも、さらに落ちていくこれからでも、これなら乗れそう・・・。

早速ホンダに探しに行くと、品切れ中。
レッドバロンに行くと、半年前の注文が今届きました、ということで在庫あり!

というわけで、スーパーカブ110と暮らしていけることに。

数日前、懐かしい『ナタリーの朝』の話を夫にしていたら、
「ナタリーの乗っているバイク、スーパーカブじゃない?」
と夫。
「ううん。ナタリーはあたしのヤマハって言ってたよ。」
「でも、この写真見て。」
そう言われ見てみると、なんと映画のナタリーが乗ってるのはスーパーカブみたい。

そうだったんだ!
カッコいい大きなバイクじゃなかったんだ!・・・意外・・・。
それはともかく、

足つきも取り回しのいいスーパーカブと一緒の人生・・・。
走っている時のあのしあわせ感をもう一度持てるなんて・・・。
ここへ来て自分の原点に戻り、未来に希望が見えてきた。

これからは余生、となんとかやり過ごす気持ちでいたこの頃。
自分でも、こんなに気持ちが変わるなんてびっくり。
さあ、そのためには、いろいろ鍛えていかないと!

mari


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 ★いつも心に花と羽★

心の中をのぞいたら、
みんなが持っている
愛の花と、自由の羽。

心の天気は変わりやすくて、
見えないこともあるけど・・・。

しあわせは、きっと、そこに♪

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