♧『ラチとらいおん』
『ラチとらいおん』(マレーク・ベロニカ 作 / とくなが やすもと 訳 福音館書店)
このいえに、ラチという おとこのこが すんでいます。 ラチは、せかいじゅうで いちばん よわむしでした。
そして、斜め後ろを向いて、指をくわえている男の子の絵。ちょっと情けない出だしです。
犬や暗い部屋だけでなく、友だちの事まで怖がるラチのもとに、ある朝、現れたのは、赤くて、小さな「らいおん」。
その、思わず笑みを誘う愛らしさ!確かに、カタカナでなく平仮名の「らいおん」っていうのがぴったりの感じ。
それなのに、見かけによらず、強いこと!
彼はラチと一緒に毎朝体操をし、こわい時は、側にいてあげ、よわむしだったラチを、どんどん鍛えてくれます。
そしてある日、「らいおん」よりも強くなったラチは・・。
動きがあって、素朴だけどセンスのある絵は、見ていて本当に楽しいですが、とにかく「らいおん」が、キュート。
こんな「らいおん」が、自分の所にも来て、ポケットに入って、いつでも一緒にいてくれたらな・・
って思うのは、子どもだけではないのでは?
そして、この絵本を読んでから、心の中に、ちっちゃな「らいおん」が住んでいて、こわい時は元気づけてくれるんだよ、っていう人も、きっと、いっぱいいるのではないかしら。
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Posted:
5月 29, 2013 水曜日 at 7:15 am