♧『きみなんか だいきらいさ』
(ジャニス・メイ・ユードリー 文 / モーリス・センダック 絵 / こだま ともこ 訳 冨山房)
友だちと、けんかしちゃって、別れた後も、どうしても、気持ちはおさまらなくて、
「きみなんか だいきらい!」
って、言わないと、気がすまない。
そんなことって、ないかな?
ぼくは、大の仲良しだったジェームズとけんかして、「だいきらい!」って言いに行ったんだ。
だって、いつだって いばりたがるんだもの。
前は、とっても仲がよくて、なんだって一緒にやったんだけど。
みずぼうそうだって、一緒にかかるくらい。
でも、もう、ちがうんだ。ぜっこうなんだ。
「きみとは ぜっこうだ!」
「いいとも!」
「さいならあ!」
「さいならあ!」
・・・
「ねぇ、ジェームズ!」
「なんだい?」
「ローラースケート やらない?」
「オッケー!クルクルクッキー はんぶん あげる。」
だって、ジェームズって、とってもいいやつなんだ。
ぼくら、いつでも、なかよしさ♪
男の子どうしの、なんともほのぼのとした、ケンカです。
・・・
この沈黙の時間、きっと、おたがい同じ気持ちだったのでしょうね。
そして、仲直りした後は、あとくされなんて、全くなし。
さっきはさっき、今は今。
子どもの世界のすばらしさに、思わず笑顔になっちゃう、手のひらサイズの絵本。
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Posted:
5月 28, 2013 火曜日 at 7:37 am