2023年07月20日(木)~24(月)

天候:晴れ時々曇り
参加者:林、石橋、平田正義
走行距離:1400km
記録:平田正義

経過時間(ラップ)は hour を°と、minute を′と表記しています。例えば1時間25分の場合は1°25′と。

(行程)
7月20日(木) 1日目 福岡 → 新門司  90km 14時30分~16時

阪九フェリー船中泊

7月21日(金) 2日目 泉大津 → 金沢市 415km 6時20分~17時

泉大津(6時20分) → 若狭三方IC → (220km 3°)レインボーライン(11時30分) →
(50km 1°10′)越前・河野しおかぜライン(13時30分) → (75km 1°50′)東尋坊(15時15分) →
(70km 1°20′)金沢市(17時) (ホテル)チサンバジェット金沢駅前

7月22日(土) 3日目 金沢市 → 能登半島 → 富山市 375km 8時~19時

金沢市(8時) → (35km 1°10′)千里浜なぎさドライブウェイ(9時40分) →
(40km 1°25′)増穂浦海岸「世界一長いベンチ」(11時) → (40km 1°25′)輪島  →
(10km 20′)白米千枚田(13時)  → (35km 1°15′)禄剛崎(14時30分) →
(20km 45′)見附島(別名:軍艦島)(15時30分)→ (60km 2°10′)能登島(17時) →
(75km 2°35′) → 富山市(19時) (ホテル)ダイワロイネットホテル富山

7月23日(日) 4日目 富山市 → 泉大津 430km 7時30分~15時10分

富山市(7時30分) → (85km 1°15′)白川郷(9時) → (340km 4°20′)泉大津(15時10分)
阪九フェリー船中泊

7月24日(月) 5日目 新門司 →福岡  90km 6時10分~7時40分 


7月20日(木) 1日目
新門司港から大阪泉大津へと向かう17時30分発の阪九フェリーに間に合うように、福岡を14時30分に出発し、16時過ぎに新門司港へ到着。新門司港からは他にも大阪南港、神戸へと向かう航路があり、乗船場所が広すぎて迷った。事前にWEB予約していたので乗船手続きはスムーズで、乗船名簿も書かずに済んだ。それにネット割引の適用もあり、片道11,000円程で行ける。阪九フェリーを使うと時間の有効利用と、今回利用した2段ベットで安眠できるので、遠征をするときはお勧め手段。それにコスパも申し分ない。カーフェリー「ひびき」は、瀬戸内海を運航している事もあり、波による揺れは全くなく、船舶特有のエンジンの振動・音も感じることはほとんどなく快適だった(ひびきシップデータ 総トン数:15,897トン、全長:195m、全幅:29.6m、航海速力:23.5ノット、旅客定員:643名・トラック277台・乗用車:188台)。夕食のビールの力もあったが、初めて船上で熟睡できた。

阪九フェリー「ひびき」
「ひびき」の現在地航路表示

7月21日(金) 2日目
フェリーは6時10分着岸したが、駐輪スペースは最後尾だったこともあり、下船の順番は最後となる。トラックの台数が一番多く、次に乗用車、最後に二輪となっているので仕方がない。トラクターなしのトレーラーも数多く積載され、物流の大動脈となっているのは間違いない。
「次の○○インターから降りてください。」大阪市内の都市高速ICに差し掛かるたびにカーナビから指示が出る。今日は高速を220km走る予定なのにおかしいな?だけど高速の上ではナビ操作も出来ず、幾つかのICを通り過ぎた辺りで根負けし、原因究明のため高速から離脱。一般道へ降りて確認するも、一般道優先になっているのではと半信半疑にはなったが、逆光の中、使い慣れていないので設定変更が直ぐには出来ず。大阪市内を訳が分からずうろそろ。林さんのスマホの応援を借り、大阪市内をうろそろしながらも都市高速に乗り直し、名神自動車道へと向かう。中国自動車道と名神自動車道への合流地点で、標識を見誤り中国自動車道側へ入り込み、慌てて次のICで一般道へ降りて軌道修正し、ようやく北陸路への正規ルートにのる。名神高速のSAでようやく有料優先に設定変更し、ナビとして使用開始。時刻は午前9時、併せてちょっと遅めの朝食を取る。
北陸地方は21日に梅雨明けし、ツーリング中は暑さと日差しには堪えたが、天気の憂いは一切なし。山間部、海岸線では28℃の温度表示もあり、九州に比べると快適な場所が多かった。
レインボーラインは、神秘の湖といわれる三方五湖の絶景を見下ろせる展望台へと続く道路で、それ自体は単なる接続路ともいうべき道路。ただ、山頂付近の駐車場から更にリフトで上がった展望台からは360°の眺望となり五湖テラス・若狭テラス・中央テラス・茶屋テラス・美浜テラスと名付けられたそれぞれの眺望が得られる展望デッキが整備されている。ここで初めて波静かな日本海と対面する。三方五湖は福井県若狭町に位置し、若狭湾国定公園に指定されている。石川県の直線的な海岸線とは対称に、入り組んだ海岸線が続く。

三方五湖(若狭テラス)
三方五湖記念碑


三方五湖(五湖テラス)

下山後、金沢に向かう三方五湖近くのICで、カーナビ地図表示の縮尺を拡大しすぎて、IC入り口からの上下線が共に直線表示され、勘で曲がったら反対方向(舞鶴)だった。幸い2.5km先のスマートICで本来の方向に軌道修正。
越前・河野しおかぜラインは敦賀市郊外でR8から海側へ分岐し、敦賀湾沿いに越前岬を通るR305で、日本海を左手に見ながら北上すると東尋坊へと続く海岸道路となっている。交通量も少なく時々大岩・奇岩の景勝地が続き、海岸ドライブにはお勧めルートとなる。越前岬水仙ランドの横を通過したが、早春には水仙が咲き出し、遅い北国の春を告げる観光地となっているようだ。水仙は福井県の県花になっている。

越前岬水仙ランド付近の海岸

火曜サスペンス劇場の犯人逮捕のロケ地として有名な国の天然記念物東尋坊は一見、佐賀県七ツ釜の柱状節理のようにも見えるが、そこまで規則正しい六角形ではなく、「輝石安山岩の柱状節理」で世界に3箇所しかないとのこと。凸凹の岩の上を断崖目指して歩くと、高さ25mからの海の眺めと、その入り組んだ岩石群に圧倒される。白い服を着て、岩場の先端にずっと一人で物思いに浸っていた女性が少し気にかかった。

東尋坊記念碑
東尋坊

   
北陸新幹線が開通し、関東からのアクセス時間が大幅に短縮され、金沢駅前にはそれを象徴するように赤い木製の鼓門が設置された。和太鼓の紐のように、木材を斜めに組み合わせた2本の柱で支えた象徴的な門が、金沢城へと続く駅前広場に設置されている。これを見たら金沢駅前だとすぐ分かるシンボルとなった。

金沢駅前「鼓門」

金沢市宿泊日は近江市場の海鮮居酒屋まで散策しながら向かった。駅前から5分も歩くと一般の民家が広がり、駅前から金沢城、兼六園へ続く大通りから一本外れると静かな佇まいをみせている。近江市場へ19時過ぎに行くと開いている店舗はないが、海鮮居酒屋だけ営業し、海鮮目当ての客で賑わっていた。入った店には外国人も数組いて、地元に住んでいるのか観光客かは分からなかったが、おいしそうに肴と地酒を楽しんでいた。我々も負けじとのどぐろの刺身、地酒を注文しトラブルの連続だった初日の反省会で大いに盛り上がった。金沢市、富山市では魚を中心とした海鮮居酒屋で毎晩反省会を催し、強行軍だったが充実・満足感は大きいバイク旅となった。


7月22日(土) 3日目
翌日6時台に金沢城址と兼六園を尋ねたら、散歩する地元住民が多く、まだそれ程まで気温が上がっていない中、公園散策を楽しんでいた。兼六園の開門は午前7時からとなっていたが、出口側は開放されており、40年近く前北アルプス下山後に訪れた園内の景色を楽しむことが出来、早起きは三文の徳となった。
約8kmの千里浜なぎさドライブウェイは、そこ以外にも長い海岸線が続き、時々車も止まっていたので間違って行こうとしたが、正規ルートでないところは、所々河川が流れ込み渡渉できる状態ではなかった。入っていたら砂にのめり込んでいたかも?その後、観光バスも走る正規ルートへ入り、念願の砂走りが出来た。砂というより目の細かい土の様な感じで、砂塵を巻き上げることは一切なし。標識も設置されている砂浜道路に停めようとスタンドを下すと若干のめり込み、そのままでは倒れると諦めていたが、木片が落ちていたのでそれを利用して停めることが出来、皆で記念撮影ができた。但し、スタンドを陸側に下すと、林さんのninja1000でも何ら補助支えも使わず駐車でき、ちょっと不思議!( ninja1000の駐車方向に注目)

千里浜なぎさドライブウェイ
千里浜なぎさドライブウェイ

平成元年にギネス登録された461mの長いベンチがあるとぎ海街道は、直線ベンチに沿った砂浜の海岸線が続き、海水浴場になっていた。また道の駅には、ベンチに座って見ることが出来る花火大会のポスターがあった。そこで名物のサザエ最中とリンゴサイダーで休憩した。

世界一長いベンチ
世界一長いベンチ記念碑

日本海は波静かで、海岸線は種類の異なる大小の岩石、砂浜とバラエティに富んだ風景が広がり、海岸線道路は交通量も少なく再訪したいツーリングコースだった。海岸線の道路沿いには、かに道楽の看板をちょっと小ぶりにしたカニオブジェが取り付けられたカニ料理店が並び、越前ガニの季節にはさぞ賑わうことだろう。また道路から100m程沖合に小舟が浮かび、よく見ると海女さんの頭が海上に現れ、アワビやサザエ漁をしていたのか、やはり道路沿いにアワビ・サザエ料理の看板がちらほら見えた。冬の日本海は経験したことはないが、波の華と呼ばれるバブルが海岸に押し寄せるくらい波風が強く、季節風が吹き荒れているらしい。
能登半島を一周するのに出来るだけ海岸線を走ろうとトライしたが、唯一道路がない海岸線で引き返さずにう回路として山中に突っ込んだら、道路半分を草木が覆う林道となり、時間は掛かるし通行には手に汗握る苦行走行となった。また反省会のネタを作ってしまった!
「のと里山海道」と称する無料の高規格道路が能登半島西側を縦に縦断し、70~80kmの速度制限で快走でき、遅れ時間を若干取り戻すことが出来た。他に七尾市から高岡ICまでは無料の「能越自動車道」、珠洲市からのと里山空港ICまでの「珠洲道路」も高規格道路で無料。これらの高規格道路を利用しても、縦に長い能登半島は東京都より広いということで、簡単には回れない事が分かった。
白米千枚田は1,004枚の中小の田からなる棚田の集合地で、小さなものは数十株のものまであり、とても機械耕作出来る田ではない。条件不利地でも耕作しないと生きていけなかった先人の苦労が偲ばれる。道の駅千枚田ポケットパークでは、棚田米のおにぎり5種が食堂メニューにあり、多くの人が味わっていた。石橋さんの知り合いから頂いた能登志賀ころ柿は、この地の特産の干し柿で、しろかびが表面を覆い上品な甘さだったので、昼食時に2個平らげた。

白米千枚田
白米千枚田

すず塩田村は、海岸線のR249を走っていると、砂上に塩水を広げ濃縮する塩田作業を、複数個所で見ることが出来た。暖地なら分かるが、積雪の冬季は薪を燃やして煮詰めるしか方法はなく、どちらが効率的かと考えてしまった。また道の駅では体験作業も可能で、塩づくりの大変さを学ぶことが出来る。
能登半島の最北部まで来たぞという実感は、朝日と夕日が見えるという180°開けた海で納得。禄剛崎は能登半島最北端、海抜40mの岬に位置し、海側には障害物がないので灯台自体の高さは2階建ての家相当、こんな低い灯台は初めて。

禄剛崎灯台

見附島は砂浜の沖合に高さ28mの軍艦に似た巨岩があり、踏み石伝いに島まで渡ることが出来るが、干潮ではなかったので途中で渡渉を諦めた。

見附島
見附島

石橋さんの話では40年前は能登島に2本の橋はなく、多分、和倉温泉へと続く長い方の橋が後でできたと思うが、橋が上下に湾曲しゴーカートの様に走ることが出来た。
この日は11時間で375km走り、しかも迷い道もあったので長旅で疲れた。反省会はホテルから1分の居酒屋で済ませることにしたが、ホテルで紹介されたところではなかったが肴・地酒とも満足のいくものだった。ドゼウの唐揚と白エビの刺身を初めて賞味しつつ、6種類の地酒の飲み比べができた。

富山市海鮮居酒屋刺身盛り合わせ
ドゼウ唐揚

7月23日(日) 4日目
色々アクシデントもあったが3日目以外はほぼ想定した距離で収まり、時間的には日中の中でツーリングを満喫できた。ただ長時間の着座でお尻が痛くなったので、エンジンガードプロテクターに足を乗せ、今回のツーリングに合わせて買った50リットルのバッグがいい塩梅に背もたれとなり、何とか姿勢を変えながら痛みに耐えた
最終日は富山から大阪までの430kmを走るので当然給油が必要で、東海北陸道に乗ると何処にSAがあるのか分からず、迷うことなく目に付いたSAで給油となる。ハイオクより高い?1リットル195円のレギュラーガソリンを東海北陸自動車道ひるがのSAで給油。北陸地方では170円台の看板は見ていたが、190円を超えるガソリンを入れたのは初めての経験だった。
白川郷は富山市から高速で85km離れた所に位置し、たどり着くまでの長尺トンネルの長さにびっくり。10kmを超える九州ではお目にかかれない長さと、トンネルの多さにちょっとうんざり。短いと思ったトンネルでも1km程度、それが山口県を通る新幹線トンネルの様に連続している。山間部を抜けているのでトンネル内はまるで鍾乳洞並みの涼しさで、5分以上走っていると涼感が悪寒に変わってくる。因みに最長トンネルは飛騨トンネル、全長は10,712 mで道路トンネルとしては山手トンネル(首都高速中央環状線)・関越トンネル(関越自動車道)に次いで日本国内3位、世界でも12位の長さということらしい。
見学できる茅葺の歴史家屋は、冬の雪が積もっても耐えられるように、通常であれば城や大寺院に使用されるような大きな梁が使われ、屋根を支える丸太も大きさ・数に圧倒される。養蚕部屋も含め4階建てとなっていて、2階以上は一間続きで作業スペースや物置として利用されていた。あともう一つ驚いたのは茅葺の厚さで1mはありそうだ。また屋根葺き替えの写真を見ると、何と50人以上の人が同時に屋根に上がり作業を行っていた。それだけ屋根が大きいのと、重量にも耐えられる構造になっている。

白川郷
白川郷

帰りの船旅も手続きは2時間前にスムーズに終了し、乗船と同時に先ずは露天風呂もある浴場へと向かう。この日は体育会系の男女高校生の集団が乗船し、往きに比べると賑やかだった。レストランも団体が食事をする影響で混み合い、混雑が納まるまでフロアーで缶ビールによる一次反省会を開催。18時30分には明石大橋の下を通過するので一時反省会を中断し、普段見られない大橋を下から眺めた。予定通り走り終えた達成感で21時過ぎには就寝となる。

フェリー「ひびき」明石大橋通過中
フェリー「ひびき」明石大橋通過中

7月24日(月) 5日目
 予定時刻に新門司港に到着しフェリーから出ると、下船したトラックが集中し道路が混雑していた。信号3回待ちを2箇所クリアーすれば九州自動車道で、後は時間帯も早かったので混雑・渋滞箇所はなかった。
 今回のツーリングは、時間の制約がないメンバーでロングツーリングに行きたいという話がまとまり、天気的に安定する梅雨明け10日の晴天を狙ったもの。天気を優先し暑さに耐えるか、気候を優先し雨に耐えるか あなたならどちらを選びますか?